陳昇個人専輯

CD紹介というのは、とっても難しいですね。音楽を言葉にして表すのはとても大変。いろいろがんばってみましたが、客観的にはど うしてもかけなかったので、主観いっぱいのCD紹介になってしまいました。YOKOにはこういう風に聞こえてるんだなあ。と思って下さい。
Title(クリックすると訳詞コーナー へ飛びます)
YOKOの主観いっぱいの解説

擁擠的楽園('88)


陳昇30歳のデビューアルバム。これができたいきさつはいろいろと語られていますが、それまでレコードづくりの裏方として、製作、作詞作曲、録音などをし てきた彼が、ある録音スタジオの社長(かな?)徐崇憲の助力を得て、自分のアルバムを作ったのがこれ。88年、89年当時の台湾の音楽界がどんなものだっ たかは、よく分らないけれど、CDの宣伝文句をみると「非主流」とかわざわざ書いてあったりして、個性ある存在だったと思われます。

曲は今でも必ずコンサートで演奏される、タイトル曲「擁擠的楽園」「責任」などの他、魂の叫びのような「回到我身辺」などシンプルで心 を打つ歌唱を聞く事ができます。

放肆的情人('89)


ジャケットの笑顔がいいですね。「最後一次温柔」「子夜二時、NI做什麼」「我的明天」(趙傳とのデュエット)などかなりいい曲ぞろい。この頃、陳昇 は映画出演(『太保と五個朋友』)をしており、その挿入歌としても使われている。

このころのアルバムには現在「友善的狗」で活躍してる黄韻玲、張翰群などが参加しています。

2000年の跨年コンサートのオープニングを飾った「愛欲之潮来襲時」も収録。
「温柔的迪化街」は「愛欲之潮来襲時」をBGMに陳昇の 語りが入っている。

貪婪之歌('90)


曲も歌詞も全体の雰囲気が、非常に内省的だと思う1枚。
早口でまくし立てるように歌う。本人もベストアルバムのライナーに書いてるけど「誰にも理解されな さそうな」アルバム。聞き込んで行くと味わい深いが、最初はとっつき難いかも。私もはじめあまり好きではありませんでした。唯一「然而」はとてもシンプル で聞きやすいラブソングで、これは今でも毎回コンサートで演奏されている。

9曲目「無言」は、陳昇もプロデュースで参加している、林強の1stアルバム「向前走」に「夢中人」として収録されている曲で、この陳 昇バージョンには歌詞がない。
羅紘武とのデュエット曲もあるが、ほとんどのコーラスは自分自身でやっていて、陳昇の歌の特徴とも言える「一人二部コーラス」が全編にわたって堪能でき る。

私奔('91)


4枚目。初期の陳昇の最高傑作アルバムだと思います。
宣伝文句「いつも遅れるけど必ずやってくる友達」
おそらく、最もヒットしたと思われる「把悲傷留給自己」が収録されている。ラブソングといえるのはそれと 「最後一盞燈」くらいで、他の曲は題材の取り方が多岐にわたっており、日常に感じたさまざまな事が歌になってる。(詳しくは訳詞のコーナー参照)彼の歌い 方も、曲によってさまざまな表情があ り、自分のおばあさんと子供が登場する「午后的蝉聲」はとても優しい。タイトル曲「我喜歓私奔和我自己」では奔放な感じ。

このアルバムから、自分自身の製作会社「新楽園」を作り、劉若英がアシスタントとなる。「無神論者的悲歌」ではコーラスとしても参加し ている。

別譲我哭('92)


何と日本語で歌う陳昇が聞ける。
この年陳昇は友人の李正帆とともに王童監督の映画「無言の丘」の音楽を担当した。(サントラも出ています「糾纏」)日本統治 時代を舞台にした映画で、その関係で日本語の歌を録音したのだろう。陳昇の日本語の発音はなかなかきれいなのだが、歌詞が一部全く意味不明になるところが ある(誰かききとれる方がいたら教えて下さい)

フォークロック色の強い曲が半分と、その他は原住民(ツォ族)の音楽あり、京劇(新楽園の所属歌手だった劉佳慧とのデユエット)あり、 日本語(劉若英とデュエット)あり、バラエティーに富んだ内容。
CDのパッケージも陳昇の撮った写真や手書きの文章が盛りだくさんの本のような装丁で楽しい。

魔鬼的情詩('94)


ベストアルバム。
これから陳昇を聴こうかな、という方はこの辺からはじめられるといいのではないでしょうか。
私もこのCDでファンになりました。

ギターの弾き語りの新曲「不再譲NI孤単」を含む。1曲1曲に陳昇手書きの解説がつけられている。
ライナーの最後には「つづく...」 と書かれている。

風箏('94)

試聴(Real Audio)
風筝


1年のブランクの後、出された6枚目のアルバム。
宣伝文句「まさに君が待っていた陳昇だ」
墾丁で撮影されたというジャケット写真(やCDの中の写真)がとても美しい。
プロデューサーとしてもアーチストとしても実力を貯えてきているのがよく分る、完成度の高いアルバム。大陸のオーケストラを使っていたり、劉若英、黄連 ユィー、蕭言中(この人は漫画家として有名)、伍佰&CHINA BLUE など多彩なメンバーが参加している。

1曲目「二十歳的眼涙」は金城武の20歳の誕生日に作った歌。2曲目「風筝」はファンの人気投票では常に1位にランクされるとても優し い歌(この曲のMVは陳昇本人が監督)

陳昇のこの路線での創作の一つの到達点で、次作からかなり作風が変ってくる。

恨情歌('95)



このアルバムから今の陳昇のバックをつとめる「恨情歌」のメンバーがまとまってくる。
しかし2曲は前作から引き続き伍佰&CHINA BLUE が演奏していてかなりロックしてます。とくにドラムのDINOは英語詞2曲を提供している。そうです、この中では初の英語曲も収録されています。「瘋子 〜NUTS」(作詞DINO)など訳のわからない曲もありますが・・。

タイトル曲「恨情歌」では「もうラブソングなんて歌いたくないんだ。みんなが望むような歌ばかり歌ってられない」とファンに挑戦(?) しています。それまでもそんなにラブソングばかり歌っていたという印象はないのですが、ヒットする曲はやはり「把悲傷.....」のようなラブソングが多 かったのは事実なのでしょう。そんなわけで、このアルバムにはラブソングは1曲もありません。
息子に先立たれた女性を静かに見守る歌「姑姑」、沈黙して土とともに生きる老人を歌う「農夫」など陳昇のまわりに注がれる目は限りなく温かです。

SUMMER('96)


「恨情歌」が陳昇のバンドとして固定したアルバム。
タイトル通り、夏にききたい「海洋性」の音楽です。前作で「もうラブソングはいやだよ」と言ってのけた気楽さからか?とてものびのびと男のロマンを歌って います。唯一ラブソングとも取れるのは「鏡子」(名曲!)ですが、恋愛というよりはもっと人間の奥底の悲しみや矛盾を歌ってるように聞こえます。

タイトル曲「SUMMER」は南の島へ現実逃避して遊びまくり、最後に「クレジットカードの支払いが・・・」という身につまされる歌。 「海豚阿徳」はイルカが大好きな陳昇が、海の生き物に愛情いっぱいこめて歌った歌。(カワイイ)。「河」は黄河を飛び越えるという自動車のスタントを成し 遂げた友人「柯受良〜ブラッキーコー」のために作った歌で、ブラッキーとデュエットしてます。

六月('97)


半分の曲はニューヨークで録音されました。音楽的に新しい要素を模索していたようで、JAZZやFUNKの要素も見え隠れしています。これまでアルバムご とにバックのミュージシャンはいろいろ変っていましたが、「恨情歌」という信頼できる仲間を得た事によるのか、バックの演奏がとても主張を持ってきて、陳 昇の音楽世界を更に広がりあるものにしています。

「べサメ〜ムーチョ〜」と歌うラテンの「給我」。金城武作曲(!)の「路口」。英語のラップもはいる「水母」。ポップな「六月」。
歌の世界は特に一貫したテーマがあるようには感じないですが、音楽的にカラフルで楽しいアルバムになっています。

鴉片(王攵)瑰('98)



骨太のハードなギターサウンドが楽しめる1枚です。
「六月」はカラフルでしたが、今作はぐっと「玄人」っぽいしあがりです。
「六月」で目指していた音楽的な洗練が今作で実ったといったところでしょうか?

陳昇というと特に台湾では「詩人」としての面が強調されすぎて、「みんなが思ってる事を歌にして、ギター1本で歌ってくれる」歌手(つ まり、アレンジや演奏は2の次)というような捉えられ方をしているきらいがあるように思いますが、「SUMMER」からのこの3作で「音楽家」としての新 境地に達しているのではないかと思います。

このアルバムには10年前にロックレコードのコンピレ集にのみ収録されてた「細漢仔」(台湾の政治批判をしているため当時発禁になった という話もありますが定かでないです)が10年ぶりに再録され、当時からのファンを狂喜させたそうです。
とても優しい「流星小夜曲」、タイトル曲の「鴉片王攵瑰」、セクシーな「影子」「クリスティーン」、FUNKYな「橘子鼓」、グレードの高い曲ばかりで す。

魔鬼的情詩U('98)


2枚目のベストアルバム

1枚目の時と同じで新曲が1曲だけ入っています。「明年NI還愛我MA?」
12曲中10曲はMTVもあります。

1枚目のベストアルバムに比べて、音が複雑になり、ポップな曲も増えてると思います。

思念人之屋(2000)

11枚目のアルバム。
ヨーロッパを一人で旅した中でうまれた歌も多々。
大人の魅力全開のアルバムです。
初回のCDのパッケージは、陳昇の撮影した写真が多用されている、昔のレコードジャケットみたいな屏風折の凝った構造。
タイトル曲「思念人之屋」は日本人のファンの手紙の内容にヒントを得て書いたのだそう。
私の中では「六分地図」「朋友」(乱弾の阿翔とデュエット)「喝完這杯珈琲就離開」(ジュリアパンとのデュエット)が気に入っています。
ボーナスCDには、リッチーレンのために書いた「小雪」を自分で歌ってるバージョンが入っています。

深藍五十米('01)

12枚目のアルバムは、私にとっては台湾東部を思い出させるものです。
ちょっと小粒な印象があるのは、目立つ曲が無いからかもしれません。
「50米〜」「一個人去旅行」などは、コンサートでも良く歌われます。これらのMVが台湾東部で撮影されているので、なおさら、そのイメージがあるのだと 思います。
魔 鬼A春天('03)

この10年の軌跡を綴ったベストアルバム。初期のヒット曲から最近のま で2枚のCDに24曲を収録。
新曲「真愛A感覚」「汀州路的春天」の2曲。

ところで「真愛A感覚」の「A」とは、台湾語の「的」に当たる発音「えー」の意味だそうです。
つまり「真愛的感覚」ってことですね。
また、「汀州路」は台湾大学の南側にある場所で、昔多くのライブハウスがあったらしい。
今は、かなり変わってしまったそうですが、汀州路といえばそういうデビューを目指すミュージシャンの卵たちの場所と言うことなんでしょうね。
さらに跨年コンサートの模様などの貴重映像を収めたVCD付き!
オトクオトク。
魚説('05)

13枚目のアルバム。
02年の夏に大怪我をしてから、きっと予定が狂ってしまったのでしょう。なんと4年ぶりのアルバムになりました。
「Summer」とはず分違いますが、やはり海洋性のアルバムになっています。
タイトル曲「魚説」はストレートな曲でとても好きです。

陳綺貞(チアー・チェン)がボビーに提供した「[イ尓]一直在玩」は、彼女とのデュエットでとても優しい気持ちに慣れる曲です。MVは その前年の緑島コンサートの時に撮影されたものです。なつかしい。
天安門事件を批判した「1989」(曲調はタンゴ)なども収録されています。
中国でライブできなくなっちゃう?!

また、今回のCDのジャケットライナーノートの中には、1曲1曲毎に、黄志偉(陳昇がヨーロッパ旅行で友人になった画家。当時ベルギー に留学していたそうです)が描いた絵が使用されています。
この方は、前年の跨年コンサートの会場(バックステージ)でLIVEで1つの大きな絵を書き上げていました。

這 些人那些人('06)


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