「六月」1997年 


給我

君がいなければどの夜も まるで火の上の蟻も同然
こんな風に僕の心を這い回り 頭を空っぽにさせちまう

そんなにつれなくしちゃだめさ 僕からどれだけの歓びを奪うんだ
君が答えてくれないのが恐い 人生の意味がなくなってしまうから

僕は君にうなずいてほしい この世の男はみんな愚かだって
ただ僕の愛情だけが特別で 差し出すものは心だけじゃない
僕は君に分かってほしい 君は僕の家屋敷さえ奪ってもいい
君には簡単に分かるだろ 僕は同情に満ちたキスがほしいだけ

君がいなければどの朝も 薄着で氷山にぶち当たったも同然
君は僕のこのか弱い胸に 真情という刃を突き刺すんだ

そんなにつれなくしちゃだめさ 僕の歓びをすべて奪ってしまうのか
君が答えてくれないのが恐い 人生の意味がなくなってしまうから

僕は君にうなずいてほしい この世の男はみんな馬鹿だって
ただ僕だけが最上級に勇敢で 火のように熱い胸を捧げている
僕は君に分かってほしい 君は僕のPu Pu(自動車)さえ奪ってもいい
君には簡単に分かるだろ 僕は火のように熱いキスがほしいだけ

BeSaMe 力をこめて与えてくれよ
(女)たとえあなたが毎日待っていても
君がほしい明日なんていらない
BeSaMe BeSaMe Mucho
(女)たとえあなたが何をくれても
最後の頼みをかなえてくれよ

 日本語訳:VIVIEN LIU


Mushroom

僕にはちょっと悩みがある 共感してくれる人を探し出せない
君は僕とは違うみたいだ 内心空虚を感じたりはしないのかい
この都会では冬夏晴雨にかかわらず 誰もが人喰いゲームに忙しい
路で魂のない死体が跳ね回っても 君は死ぬほど驚きはしない

故郷は風雨の中で泣き 一角獣は今も草山で笑い戯れている
Mushroom you can not eat
どうして愛情というゲームに興じないんだ
君の血走った目を見てみろよ 少し睡眠をとりたいだけだろ
幸福のキノコをやりたくないか どうせもう君は世紀の毒に当たっている

Hey Gentleman Gentleman You've better listen to me
どうして心の窓を開けようとしないんだ
窓の外にある青い海が君を自由に飛び回らせてくれる
(窓の外にある青い星空が君を自由に飛び回らせてくれる)
(窓の外にある青い海が君を歩き回らせてくれる)

悩みが大きくなる 僕の悩みが大きくなる
足を停めることもできず 行き場所さえもはっきりしない
こんなのは気に入らないが 見たところびくともしない
悪魔のような足取りで 毒を流したのはいったい誰だ

阿片館には恥知らずがいて 大スターは男か女か分からない
Mushroom you can not eat
どうして愛情というゲームに興じないんだ
この世界はもう性別も分けられず 聡明なだけではやり過ごせない
崇高なキノコをやりたくないか 他人より偉くなれると保証つきさ

誰もがゴキブリと共棲し 自分が流行の手先だと自覚している
唐朝ははるか昔の年代で 丹を練った李白とは知り合えない
二十世紀に生きるってことは本当にどうしようもないことだ
歌を歌える鯨だってすぐにいなくなるだろう
快楽のキノコを僕にくれ
Mushroom too dangerous you can not eat

 日本語訳:VIVIEN LIU


候鳥

もし心までも盲目だとしたら 来た路を捜し出すことなどできはしない
帰航の燈火は次第に朧気になってしまったが 秋はものを思う季節

あそこが僕のよく知っている路 今でも待つ人はいるだろうか
忘れ去った少年の時間 偶然巡り逢った喜びが
記憶の中に埋もれている

もしかしたら僕はあまりに自分勝手だったのかもしれない
もしかしたら僕は浮雲を愛してしまったのかもしれない
傷だらけの身体とぼろぼろのリュックを見ても
君はなおもそばに寄り添わせてくれるだろうか

今度会っても 僕が誰かなんて聞かないで
僕は風の中で路に迷ってしまったんだ
どうやって昨日を葬ったのかは聞かないで
僕が恐れているのはこの人生でもう二度と会えないこと

この温かい腕の中で君を眠らせるために
砂だらけの羽でできた衣を脱ぎ捨てよう
ただ君のために美しい「勿忘草」を捜し出したい
この人生でそれを見つけられないのが恐いだけ

僕の造り上げた花園で君を眠らせるために
雪花の舞い落ちる草原にも行った
ただ君のために美しい「勿忘草」を捜し出したい
この人生でそれを見つけられないのが恐いだけ

今度会っても 僕が誰かなんて聞かないで
もしかしたら二度と会えないのかもしれない
だけどこうして飛翔を続け夢の中の花園に辿り着いた
ものを思う季節の中で
ごらんこんなに疲れ果てたこの渡り鳥は
必死でもがきながら君のそばに帰り着いたんだ

訳者註:勿忘草(わすれなぐさ)
原詞では「勿忘我」(僕を忘れないで)
 

 日本語訳:VIVIEN LIU


路口

月下美人が夜綻び開いて行く 静かに訴えかけるように
夜になると突然何かを思い出す
忘れることが必要なこと 過ぎ行く宿命と慣れるべきこと
生命はもう少年のように心を奪われたりはしない

君と僕は入り組んだ十字路で出会い
君がどの方向へ行くのか尋ねるのを忘れてしまった
いつか僕は空一杯の太陽を手に入れるかもしれない
しかし今はいつものように暗い夜に目覚めるだけ

*雁ははるかな北方へ帰って行った
 君の顔(名前)をもう思い出せない
 訳は聞かないで 生命は待ってくれないのだから
(時間もまた引き留めることはできない)  
 夕陽が海に沈み 今日に別れを告げる
 君の名前をもう思い出せない
 僕を責めないで 生命は待ってくれないのだから

花が夜歌を歌えば思い出すのは昨日だけではない
それはおそらくその旋律の中に君がいるから
僕には立派な信仰はないが 頭の中には美しいヴィジョンがある
しかし生命という歌の中 やがては何もかもなくなってしまう

人生がいかに短くとも 僕は恐くはない
しかしすべてがいつかは必ず空に帰すことが恐い
時間という河は ゆうゆうと歌いながら
今日という日に別れを告げても悔いることを知らない(Repeat*)

君が記憶の中を通り過ぎて行った
歳月は寂寥でも 君がいたから喜びがあった
僕がなぜ涙を流しているのか聞かないでくれ
君の涙ははるか遠くにある星の光
しかし寒い夜そっと僕を眠りから呼び覚ます
訳は聞かないで 後戻りはできないのだから(Repeat*)

 日本語訳:VIVIEN LIU


老嬉皮

異郷の真夜中見知らぬ街角を行けば
あなたはうつむいて微笑みながら話す
ブロードウェイは旅人の気持ちなんて分かってくれない
帰った方がいいんだ 何年もいたらな

素晴らしい天国を探し出したいって
そんなとこに行けるのは渡り鳥だけさ
心の底に隠したラブソングを繰り返し歌い続けて
顔に降り積もった風霜を忘れるだけ

道に迷った渡り鳥は 我慢できずに叫んでしまう
僕はへこたれない
Don't wanna go home

New York city's just not my home town
そんなとこ旅人だけが行けばいいのさ
心の底に隠したラブソングを繰り返し歌い続けて
西風の中に紛れ込んで行くだけ

異郷の真夜中見知らぬ街角を行けば
I want a hug
I wanna go home

あなたが話してくれた半生の道のりを疑ってはみても
やはり夢は酔っ払いのようにバワリー街に転がっている
だけど幼稚な僕は気づくべきだった
あなたは本場の炒河粉を食べたかっただけなんだと

異郷の真夜中見知らぬ街角を行けば
I want a hug
I wanna go home

 日本語訳:VIVIEN LIU


旅程

雨の夜に窓の扉に寄り掛かり  日記を開いて昨日へ向かう  
思い出は苦いコーヒーのよう  心の中でそっと絡みあって動いている  

君はまるで動きの定まらない風  そして僕は風が起こるのを待っている雁  
微風を受けながら空を夢見ても 風の中にいるのは僕だけではないのかも

僕は疑いに満ちた足どりで  雨と霧の中を歩いて来た  
今僕らには分かっているのだろうか  歳月は待つことを望まないと
時間の中に埋もれたもの以外は  あまりに寂しくて悲しく見える  
だけど僕らが失ったのは果たして笑顔だけなのだろうか

君の面影が逆にますますはっきりして来るから  もう心の中に君を住まわせることはできないと分かる  
君みたいな人を一生かけて待っていたけれど  実際には僕は今まで後悔したこともなかった

君は白い雲に乗り僕の心の中に飛んできた  僕には今やっと分かる
最初なぜ君が承諾しようとしなかったのか  

承諾された愛以外は  あまりに寂しくて悲しく見える  
だけど僕が失ったのは果たして歳月だけなのだろうか

君の面影が逆にますますはっきりして来るから  もう心の中に君を住まわせることはできないと決める  
君みたいな人を一生かけて待っていたけれど  僕は今まで後悔したこともないと君には分かるだろう

終わりにするのかしないのか  真夜中にそっと溜息をつく  
終わりにするのか  僕にはできない君をひとりで真夜中に泣かせるなんて

君は言った僕はひとりで寂しさを忍ぶのが好きなのだと  
日記を開いて昨日へ向かう  思い出は苦いコーヒーのよう  
なすすべもなく僕は思い出の中に包まれて行く

 日本語訳:VIVIEN LIU


六月

六月の気持ちは夏が来る前のよう  晴れていても小雨が降り出す
さっと現れ急に消える  少女の憂いに満ちた気分

六月の単純な心に  どんな物語が隠れているか当ててごらん  
忘れられないあの男の子  そして頬に生えていた無精ひげ

OH- OH- 悲しくても泣いちゃだめ
OH- OH-  独りぼっちでも負けないわ  
魚座生まれの女の子は  他人の誤りを責めたりはしない

六月の気持ちは春の後のよう  悲しみの中に小さな苦しみがある  
過ぎた日の恋情  つまずいたのは自分なのだから泣きはしない 

六月は愛らしい笑顔を浮かべて言う 「私は幸せなお魚なのよ」  
果てしない人の海を泳いでいる男の子  君にどうして分かるだろう

OH- OH- 悲しくても泣いちゃだめ
OH- OH-  独りぼっちでも負けないわ  
夢見がちな女の子は  他人の誤りを責めたりはしない

君の面影を忘れたくないから  夏が来ると六月はまた海辺に行った
だけど気づかなきゃ 君を愛したら苦労する だって晴れたり雨が降ったり  
愛情から抜け出せないなんてバカだよ 髪型だってずっと同じじゃだめだろ  
別れても傷ついたりしないって気づかなきゃ 彼を忘れるのが心残りなだけ

OH- OH- 彼の胸の中で泣きたいけれど  
OH- OH- 彼がいなくても本当に平気よ  
夢見がちな女の子は  他人の誤りを責めたりはしない

君の面影を忘れたくないから  夏が来ると六月はまた海辺に行った
だけど気づかなきゃ 君を愛したら苦労する  だって晴れたり雨が降ったり  
愛情から抜け出せないなんてバカだよ  髪型だってずっと同じじゃだめだろ  
別れても傷ついたりしないって気づかなきゃ 彼を忘れることに決めるんだ

 日本語訳:VIVIEN LIU

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