「恨情歌」1995年 


凡人都寂寞

君の身辺に気をつけろ 美しい謎の微笑みを浮かべた女の子
薔薇には刺が一杯 そして感情の傷は二三日では癒せない
うっとりしているうちに すぐに主張をなくし
どこにいるかも忘れてしまう
少しぐらい間違いを犯してもと君は思う
僕の味気ない日々には何もないんだからと
そのうえ愚かにも人の言葉を鵜呑みにしたりして
無邪気さこそ女性特有の美だなんて
夢中になっているうちに そのまま主張をなくし
どこにいるかも忘れてしまう

男の歓びと女の愛 どんな組み合わせでも
愉快なところが決してないわけではないし
腹ぺこの時に料理をあれこれ注文するものじゃないと
誰もがみんな忠告しようとしても
それは他人の葡萄は酸っぱいという心理
だからそんなことを言うんだともし思うなら
うーん 君はきっとそう思うんだ
分かってる だけど僕が注文したのはほんの少しさなんて

君の身辺に気をつけろ あの美しい孤独な感じの女の子
長い夜が明けないからといって
ムードたっぷりの幻想に浸ってはだめだ
楽しい時が過ぎれば 自分が馬鹿だったと感じるものさ
払った犠牲はいつも大き過ぎるのだから

友よ君に分かるだろうか 感情というものは
絶対に無理やり手に入れようとしてはだめなんだ
足に合わない靴を履いてしまうなんて
その痛みは裸足でいるよりもっと辛いんだ
友よ君は気づかなければ
幸福の絶頂という天国の側には実は地獄が待っている
孤独になったからって 僕を尋ねて来るのはやめてくれ
We are all alone
La La La La・・・・

Hey! 友よ君は気づかなければ
幸福の絶頂という天国の側には地獄が待っている
孤独になったからって 僕を尋ねて来るのはやめてくれ
誰もがみんな寂しいのだから

日本語訳:VIVIEN LIU

 


十七號省道

名前も知らないホテルで君は目覚める
頭の上にはやりきれないほど眩しい陽光
ホテル中で議論の的になっている
想像を振り払い車で向かう省道十七号線
東石と六脚の間は鳥の糞さえない僻地
堪え切れずに習慣を破り酒に手を伸ばす
夕陽の下を時速八十マイル
君が泣くことは許されない
泣くにも理由が必要なのだ
だけど君の理由がどこにある
自分が八流の国民であるような気がして
顔に浮かべている一流の憂鬱

名前も知らない小さな町へ君は歩いて行く
門の隙間から次々覗く問い質すような二つの目
道の真ん中でじっと君は息を潜めてしまう
十七号線にはあらゆる思い出がある
南投と雲林の間の激しいアップダウン
その感覚に圧倒されるのが君はかって好きだった
心中の苦悶がどこにあるのか言葉にならない
黄昏の中では野鳩が息を潜めている
憤怒するにも理由がいるのだ
女を買うのはまるで ××× みたいで
真っ平ごめんだと君は言うのか
道徳と魂の欲するものはイコールではない
気骨については議論するまでもないと

名前も知らないホテルで君は眠りに落ちる
テレビにちらつくモザイク模様の光と影
誰に電話をすれば慰めてくれるのか思いつかない
君を愛する人は どこにいる
精神と肉体の境目にのさばっているのは悪魔
He takes your soul and lefts your body.
こんな日々は今日に始まったことではない
君の両親が出会ったその日すでに決定されたこと
悲しみにくれるにも理由がいるのだ
悲しみ愛おしむこと それが君のあつらえた衣装
その衣装で自分を包み込んでるそのザマを見ろよ
君は元々自分自身でさえないというのに
誇りを持つにも理由がいるのだ
くだらない芸術の意味さえ理解できない君
だけど娼婦は男と敏感なあそこについて心得ている
君のこの人生 どこもかしこもペテンだらけだ

 

日本語訳:VIVIEN LIU


姑姑

黄昏の風の中に 立ち込めている香箔の匂い
舞い踊る幡布の陰で あなたがこっそり泣いていた
僕は思う 人に心配をかけたくないからだ
彼らの話でもあの日 あなたはやはり涙を堪えていた
最愛の長男が最後の衣装を着ることになったのに
その後落ち着いて涙を拭い 明日に向った
空の虹が消えても 人が笑いを失っても
おばさんは寒風の中で 誰よりも美しい
その日僕の肩で静かに泣いたあなた
誰にも理解できない それが本当はどんな痛みなのか
手に入れたその時から 失い始めることになる
それが定めなのか

あなたは言う 運命のなすがままだなんて承服できない
神様が夫を 最愛の長男を連れ去ったのだから
誇りと尊厳を持って生きることに決めたのだと
空の虹が消えても 人が笑いを失っても
おばさんは寒風の中で晴れやかに笑っている

おばさんは寒風の中で 誰よりも美しい

昨日僕は見た あなたの顔に浮かぶ晴れやかな笑い
運命は多くのものを奪っても あなたの笑顔は奪えない
おばさんは僕の心の中で
誰よりも 誰よりも美しい人だ

日本語訳:VIVIEN LIU

 


農夫

あなたは門のそばに立ち 子供の後姿を見送っている
手の中の煙草を かすかに震わせながら
いつも黙っているだけで 言葉をかけたりはしないから
想像もしなかった あなたが愛おしんでいるということを
夜が明けるあ;働きに出て なぜかと自問したこともなく
家への帰り道で転んだ日 初めて自分の老いに気がついた
あなたは家のそばに座り 青い空を見上げている
手の中の煙草は すでに燃え尽きてしまった

僕は分かっていると思ってた 水の中の魚のように何もかも
だけど蝶々は泣くのだろうか 答は風の中に舞っている
あなたは考えたことがあるだろうか 生命の美とは何なのか
それは娘の笑った顔か それとも心の中の田の実りか
あなたは自分の生命で歌を書くだけ 歌に歌われることはない
言葉にしようとしなかったのなら 詩人の力が足りないからだ
そんな風に静かな顔で 心の中には何を隠しているのか
言葉にしようとしなかったのなら 詩歌の内容が貧しいからだ

あなたは生命で歌を書くだけ どうして疑いを抱きもしないのか
話そうとしなかったのなら 答は風の中に留めておけばよい

もしかしたら 答はそこに  そう 風の中に

日本語訳:VIVIEN LIU


恨情歌

君たちの歓心を買おうとして
僕はいつも自分を忘れていた
感情というものは気違いじみているから
多ければいいと言うものじゃない
僕はいいかげんな気持ちで
楽しく軽やかに歌ったりはできないのさ
みんな情歌が好きだと言う
それで心の中の苦しみを軽くするんだって

いたずらっ子のようなまねはやめて
自分のために情歌を歌えとよく言われるけれど
夜ひとりになるといつも
自分を見失うんじゃないかと心配している
それに元々僕はどんな事でも好きな道楽者だ
もし僕が情歌をやめてしまうような日がきたら
君たちは僕から離れていってしまうかい

じゃ、僕は情歌なんて嫌いだと叫ぼう
全然平気なふりをして
あるいはもう君たちの歓心を買おうとはしない
僕はそんな自分が好きなんだ

じゃ、僕は情歌なんて嫌いだと叫ぼう
全然平気なふりをして
君たちだって言わなかっただけかもしれないね
そう、僕はもっといろんな事を考えているんだよ

日本語訳:VIVIEN LIU

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