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劉若英

 「これは自分の曲の中で一番の代表曲になると思う。多くの人がこの曲を聞いてこの曲は陳昇がわたしのために相当の力を注いでくれた曲だという。あのころ、わたしには既に13〜14曲も歌っていたけれど、レコード会社の人間に言わせると、アルバムタイトル曲として出せるような曲は一つも無かった。

ある日の夜、私たちはいつものようにスタジオに入った。陳昇がギターを取り出して新しいメロディーをひきはじめた。わたしのために1曲書いてきたという。それが、”為愛癡狂”だった。

でも、この曲のキーはとても高かった。陳昇はわたしに高音の限界を超えさせようと思っていた。もちろん声楽の歌唱法で歌えば、なんということはない高さだったけど、彼はそれではだめだという。声楽的にではなくて、感情でそのキーを歌えなければだめだと・・・。

 

・・・わたしは、自分は歌が歌えると思っていた。何年も声楽を勉強してきたのだから歌えないなんてことはあるはずがなかった。でも、歌えない。陳昇の前に出ると、誰もが歌えなくなってしまう。なぜなら、陳昇が欲しているのは、歌の技術ではなく、感情なのだから。」

劉若英「為愛癡狂」ライナーより

 

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